コイントスを相場の説明に使ってはならない(投資と確率)

雑記

仮想通貨界隈で、
「5回連続コイントスが表だから今後このコインは高い確率で表になるというのは間違っているが、相場ではそのように考えてしまう人間がいる」との内容がバズっていました。

そして、この意見にコイントスと相場は全く別物なので比較するのは不適とした方が多くのインフルエンサーやフォロワーから批判されていました。

しかし、私は不適とした内容のほうが正しいように思え、なんとか言語化できたように思うので共有します。

実際のツイートは引用しません。もし引用の希望があればその旨お知らせください。

試行の独立性

まず確率には試行の独立という概念があります。これは、それぞれの結果がお互い影響を与えないということです。

独立の説明 https://bellcurve.jp/statistics/course/6347.html

サイコロを振って1が出たあとにサイコロを振るとき、そのサイコロはさきほどの1の目の影響をうけません。

当然コインにおいても5回連続コイントスが表だから今後このコインは高い確率で表になるというのは間違っています。

しかしながら相場はどうでしょうか?
5連騰したから次も上がるだろう、いやそろそろ下がるだろうと考える人達がいます(テクニカル派はおおむねそうですね)。

そしてその人達が実際にトレードを行い、価格を形成するわけです。
つまり相場(の上げ下げ)に関して、試行は独立しているとは言えません。

このことから5連騰したから上がる、または下がると考えることがコイントスと同様不適であるというのはおかしいと考えられます。

確率分布がわかっていないこと

コインの表が出る確率はどれくらいでしょうか?
答えは簡単で、50%ですね。

では、6面のサイコロのうち1が出る確率は?
これも1/6と簡単に答えられるでしょう。

これらの例はどの目がどの確率ででるかわかっている例です。

一方で相場は騰落予想をした場合、あがる確率は何%でしょうか?
当然私達は今の市況や相場の性質を加味しながら上がる確率を予想する必要があります。

言い換えれば事前に確率分布がわからない状態では分布の予測からスタートするわけです。

その際、出た目から分布を推測するの方法はよく用いられています。

例えば、私がお手製のおみくじを作ったとします。
この中には大吉と大凶の二種類が100枚、私の思惑たっぷりの割合で混ぜられています。
ここで10人がおみくじをひきました。10人全員が大凶でした。

さてあなたがおみくじを引く番です。あなたは大吉を引くと思いますか?大凶を引くと思いますか?

このように観測値から分布を推定する際には例え試行が独立であったとしても、意思決定には大きく影響するはずです。

このおみくじと相場は分布がわからないという点で同様である以上、観測値が意味を持たないというのはやはりおかしいでしょう。

この二点からコイントスを相場の例に持ち出すのは不適で、反論は的を射ているように感じました。

皆様も是非ご意見の表明を!

みんなも確率勉強しよう!
みんなだいすき統計学入門(私は挫折しました)

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